GUIDE
推し活の年表 — 言葉・メディア・ファン文化の節目
「推し活」という言葉が注目される以前から、劇場・武道館のようなライブ会場、サブカル拠点、秋葉原系アイドル・動画・配信・ソシャゲ・公式ファンコミュニティなど、ファンと推しの距離を変えてきた節目があります。本ページはその流れをざっくり辿る参考年表です。
劇場・舞台と「会いに行く」文化
宝塚や劇場型アイドルから 2.5 次元ミュージカルまで。推しの公演を足で観に行き、キャストや演目を追う文化。
宝塚少女歌劇、第1回公演
宝塚新温泉の余興として始まった少女歌劇が、のちの宝塚歌劇の起点となりました。劇場を拠点にファンが演目を追う文化の源流のひとつです。
ミュージカル『テニスの王子様』、シリーズ開始
株式会社ネルケプランニングが手がけるミュージカル『テニスの王子様』(テニミュ)のプロデュースが始まりました。のちに「2.5 次元ミュージカル」と呼ばれるジャンルの代表作として、長期シリーズで公演が続いています。
AKB48劇場、グランドオープン
秋葉原の専用劇場で「会いに行けるアイドル」を掲げた AKB48 の活動が始まりました。初演時の客入りは少なかったものの、劇場公演を軸にした近距離の推し活スタイルが広がっていきました。
「ラブライブ!」、スクールアイドルプロジェクトが始動
2010 年に「ラブライブ!」がプロジェクト発表され、女子高校生のスクールアイドルをテーマにしたオールメディア展開が始まりました。「みんなで叶える物語」をキーワードに、のちにライブイベントやスマートフォンゲームなども展開され、キャラクター・声優・ライブを横断して推すモデルケースとなりました。
AKB48「発売記念大握手会」、幕張メッセで開催
AKB48 の劇場盤 CD 購入者を対象とした「発売記念大握手会」が幕張メッセで開催されました。希望メンバーを指名して個別握手ができる形式が大規模イベントとして定着し、劇場公演と並ぶ「会いに行く推し活」の象徴的な形として知られるようになりました。
ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」、上海公演を開催
「セーラミュー」シリーズの中国・上海公演が開催されました。協会の発表では、2.5 次元ミュージカル作品の海外公演が本格化した出来事の一つとして位置づけられています。
AiiA 2.5 Theater Tokyo、2.5 次元専用劇場として開幕
渋谷のアイア 2.5 シアタートーキョーが、日本2.5 次元ミュージカル協会の運営協力のもと 2.5 次元ミュージカル専用劇場として開幕しました。第一弾は「NARUTO-ナルト-」の舞台化作品で、字幕整備やインバウンド向けチケット購入なども整備されていきます。
ラブライブ!シリーズ ライブ、うちわの持ち込み・使用を禁止(ペンライト・サイリュームは可)
LoveLive! Series Presents COUNTDOWN LoveLive! 2021→2022 の公演注意事項では、視界・演出の妨げを考慮し、うちわ・メッセージボード・パネル・旗・横断幕など大小・電飾の有無を問わず持ち込み・使用を禁止。一方、ペンライトやケミカルライト(サイリューム)は使用可と明記されています。ラブライブ!シリーズ各公演の注意事項でも同様の制限が繰り返し掲示され、デコうちわからペンライト・サイリューム中心の応援へ整理される流れの代表例です。
推しの「場所」(武道館・秋葉原・池袋ほか)
武道館や原宿・中野に加え、秋葉原や池袋のサブカル街。推しを追いかける「行き先」と、その街で育ったアイドル文化。
日本武道館、開館
1964 年の東京オリンピック柔道競技会場として建設・開館した日本武道館は、のちにポップス・アイドルの単独ライブなど文化的イベントも多く開催される会場となり、アーティストやファンにとって「武道館のステージ」が目標・節目として語られるようになっていきます。
中野ブロードウェイ、開業
昭和 41 年に開業した中野ブロードウェイは、商業住宅複合ビルとして誕生しました。1980 年代以降、漫画専門古書店まんだらけの進出を契機にサブカル志向の店が集まり、「サブカルの聖地」として知られるようになっていきます。
ラフォーレ原宿、オープン
明治神宮前・原宿にラフォーレ原宿がオープンしました。ファッションを「時代を表現するカルチャー全般」と位置づけ、展覧会やファッションショーなども展開。原宿をファッション・文化の発信拠点に育てるランドマークのひとつとなりました。
ケミカルライト「ルミカライト」、発売(商標登録)
株式会社ルミカがケミカルライト商品「ルミカライト」の商標登録と発売を行いました。1980 年代からサイリューム(化学発光体)の国内販売を手がけており、ライブ会場のペンライト・サイリューム応援で広く使われるブランドの源流です。
コミックとらのあな、創業(秋葉原に出店)
同人誌・漫画・アニメグッズの専門店「虎の穴(のちのとらのあな)」が創業し、秋葉原に出店しました。のちに通信販売やオンライン流通を広げ、推し作品の同人誌・グッズを扱う店舗チェーンとして定着しました。
instax mini 10(チェキ)、発売
富士フイルムがカードサイズの専用フィルムを使うインスタントカメラ「instax mini 10」(愛称:チェキ)を発売しました。その場で写真が出るフォーマットは、のちのライブやイベントでのチェキ撮影など、推しとの記念写真の定番道具になりました。
アニメイト池袋、1号店オープン
PR TIMES池袋・サンシャインシティ近くに、アニメ・コミック・ゲーム専門店「アニメイト」の 1 号店がオープンしました。周辺はのちに「乙女ロード」と呼ばれる女子向けサブカル拠点として広がり、推し活グッズやイベント流通の起点の一つです。
おニャン子クラブ、『夕やけニャンニャン』からデビュー
フジテレビのバラエティ番組『夕やけニャンニャン』の番組アシスタントとして、おニャン子クラブが芸能界デビューしました。同年 7 月のデビューシングル「セーラー服を脱がさないで」が大ヒットし、テレビ視聴者を中心としたアイドルファン文化が社会現象として広く知られるようになりました。
ヴィレッジヴァンガード、創業
「遊べる本屋」をキーワードに、書籍・雑貨・CD/DVD などを融合陳列する小売店ヴィレッジヴァンガードが創業しました。サブカル・インディーズ文化と出会える店舗として、推し活グッズやファン向け書籍の流通拠点として広がりました。
でんぱ組.inc、シングル「Future Diver」でメジャーデビュー
トイズファクトリーとプロデューサー・もふくちゃんが設立したレーベル MEME TOKYO の第 1 弾として、シングル「Future Diver」がリリースされました。畑亜貴・小池雅也・前山田健一が手がけた代表曲は、のちの武道館公演タイトルにもなったほか、秋葉原発のサブカル系アイドルがメジャーに届きました。
AKB48グループ、初の日本武道館公演
AKB48 グループ臨時総会 ~白黒つけようじゃないか!~が日本武道館で開催されました。AKB48 グループにとって初の武道館単独コンサートとして位置づけられ、劇場型アイドルが「武道館のステージ」を目標に掲げる流れの象徴的な公演となりました。
応援広告支援「Cheering AD」、本格始動
PR TIMES株式会社ジェイアール東日本企画(jeki)が、個人・ファン団体による駅や電車内などの「応援広告(センイル広告)」の掲出を代行・支援するサービス「Cheering AD(チアリング アド)」の提供を本格始動しました。推しの誕生日やイベントを祝うファン広告が、媒体調整や権利処理を伴う形で広がりました。
歌とテレビ
CD デビューから歌番組・冠バラエティまで。金曜・土曜の定番枠で推しの新曲やテレビ出演を追う視聴習慣。
松田聖子、シングル「裸足の季節」でデビュー
松田聖子が、シングル「裸足の季節」を CBS・ソニーからリリースし、歌手デビューしました(資生堂「エクボ洗顔フォーム」CM ソング)。山口百恵引退後の女性アイドルブームの火付け役として、歌番組視聴型の推し活が定型化していきました。
『ミュージックステーション』、テレビ朝日で放送開始
テレビ朝日の音楽番組『ミュージックステーション』(Mステ)が第1回放送を開始しました。以降、毎週金曜の生放送で複数組のアーティストが同一ステージに並び、推しの新曲パフォーマンスをリアルタイムで追う視聴習慣の定番枠として長く続いています。
『ミュージックステーション』、タモリが司会に
『ミュージックステーション』の司会にタモリが就任しました(1987年4月〜)。長年にわたり金曜夜の音楽番組の顔として、推しアーティストとのトークや生ライブを届け、番組の看板司会を務めました。
SMAP、シングル「Can't Stop!! -LOVING-」で CD デビュー
ジャニーズ事務所所属の男性アイドルグループ SMAP が、シングル「Can't Stop!! -LOVING-」で CD デビューしました。のちに『SMAP×SMAP』や『うたばん』司会、東京ドーム公演などを軸に、ジャニーズ系男性アイドル推しのモデルケースとなりました。2016 年 12 月 31 日をもってグループは解散しました。
『COUNT DOWN TV』(CDTV)、TBS 系列の長寿音楽番組として定着
TBS系列の音楽番組『COUNT DOWN TV』(略称 CDTV)。2026年1月のTBS公式アーカイブ(デビュー曲ランキングTOP100企画)では、『CDTV』放送開始から32年間と紹介されています。TBSチャンネルの番組紹介でも「長寿音楽番組」として位置づけられ、土曜深夜に推しの新曲・チャート順位を追う視聴習慣の定番枠です。
『SMAP×SMAP』、フジテレビ系列で放送開始
SMAP の冠バラエティ番組『SMAP×SMAP』が、フジテレビ系列で放送を開始しました。「ビストロ SMAP」などの人気コーナーを通じて、メンバー個人とグループ全体の推しコンテンツをテレビで追う視聴型推しの代表作の一つです。2016 年 12 月の最終回をもってレギュラー放送は終了しました。
安室奈美恵、シングル「Body Feels EXIT」をリリース
安室奈美恵が、小室哲哉プロデュースのシングル「Body Feels EXIT」を avex trax からリリースしました。ダンス・ファッション・ヘアスタイルを含む「アムラー」ブームを通じて、総合的なアイドル推しが広まりました。
『うたばん』、TBS 系列で放送開始
TBS系列の音楽バラエティ番組『うたばん』が放送を開始しました。とんねるず・石橋貴明と SMAP・中居正広が司会を務め、トークとライブを組み合わせた形式で、1990年代〜2000年代の推し活視聴の定番枠でした。2010 年 3 月 23 日の生放送で無期限の活動休止が発表され(約 13 年半)、同年 4 月から後継番組『ザ・ミュージックアワー』がスタートしました。
モーニング娘。、シングル「モーニングコーヒー」でメジャーデビュー
テレビ東京系『ASAYAN』の企画で結成されたモーニング娘。が、シングル「モーニングコーヒー」でメジャーデビューしました。のちの「LOVEマシーン」大ヒットなどを経て、ハロー!プロジェクト系アイドル推しの起点となりました。
宇多田ヒカル、デビューシングル「Automatic / time will tell」をリリース
PR TIMES宇多田ヒカルが、デビューシングル「Automatic / time will tell」を東芝 EMI からリリースしました(作詞・作曲は本人)。のちの 1st アルバム『First Love』とともに、R&B 系ソロアーティスト推しの契機となりました。
出典PR TIMES — 宇多田ヒカル デビュー25周年(1998年12月9日「Automatic / time will tell」)
浜崎あゆみ、1stアルバム『A Song for ××』をリリース
PR TIMES浜崎あゆみの 1st アルバム『A Song for ××』が発売され、オリコン初登場 1 位を記録しました(デビューシングル「poker face」に続く初期ヒット)。振り付けやファッションまで含めて推す、1990年代末〜2000年代初のソロ推しの典型です。
嵐、シングル「A・RA・SHI」で CD デビュー
ジャニーズ事務所所属の 5 人組男性アイドルグループ嵐が、シングル「A・RA・SHI」で CD デビューしました(フジテレビ系「ワールドカップバレーボール'99」イメージソング)。のちに『VS嵐』や歌番組出演、東京ドーム・国立競技場公演を軸に、グループ推しと個人推しの大規模モデルとなりました。2020 年 11 月に活動休止を発表し、2020 年 12 月 31 日をもってグループ活動を停止しました。
『VS嵐』、フジテレビ系列で放送開始
嵐とゲストチームが対抗するバラエティ番組『VS嵐』が、フジテレビ系列で放送を開始しました。嵐メンバーとゲストの対決企画を通じて、バラエティ視聴で推しを追う型の代表作です。2020 年 12 月の最終回 4 時間生放送スペシャルをもってレギュラー放送は終了しました。
『CDTV ライブ! ライブ!』、TBS 系列で放送開始
公式ニュースTBS系列の音楽番組『CDTV ライブ! ライブ!』が放送を開始しました(初回は同日19時からの4時間スペシャル生放送)。アーティストが作り上げるステージを生中継する形式で、従来の土曜深夜『COUNT DOWN TV』系番組と並行する新レギュラー枠となります。TBS公式では2020年春からの月曜夜生放送として位置づけられています。
同人・創作と推し
二次創作やオリジナルキャラを、即売・投稿・配信・ネット販売で届ける文化。
コミティア第1回(COMITIA1)、開催
創作マンガ同人誌即売会「コミティア」の第1回が東京・練馬産業会館で開催されました(直接参加55サークル・委託参加46サークル)。オリジナルキャラクターを軸にした創作同人流通の最初の柱の一つです。
ワンダーフェスティバル第1回、開催
ガレージキット即売会「ワンダーフェスティバル」の第1回が、東京・浜松町の東京都立産業貿易センター3Fで開催されました(ディーラー39・入場者約2,000人)。のちの推しキャラ立体物・同人造形を対面流通させる即売会の出発点です。
漫画雑誌「まんがタイムきらら」、創刊
芳文社が4コマ漫画誌「まんがタイムきらら」を創刊しました。のちに「まんがタイムきららキャラット」等の姉妹誌を伴い、萌え系4コマとキャラクター推しの雑誌基盤として定着しました。
PCゲーム『Fate/stay night』、発売
TYPE-MOON が伝奇活劇ビジュアルノベル『Fate/stay night』を PC 向けに発売しました。同人サークルからの商業デビュー作として「Fate」シリーズの起点となり、のちのアニメ・小説・『Fate/Grand Order』やフィギュア・二次創作へと、キャラクター IP 推しが広がりました。
ニコニコ動画、サービス開始
公式ニュース
動画共有サービス「ニコニコ動画」がスタートしました。コメント同期視聴のほか、歌ってみた・MMD などファン制作動画を同じタイムライン上で追う視聴文化の柱の一つです。
VOCALOID2 初音ミク、発売
クリプトン・フューチャー・メディアが歌声合成ソフトウェア「VOCALOID2 初音ミク」を発売しました。クリエイターが楽曲・イラスト・動画をネット上に投稿し広がる「創作の輪」の起点のひとつとして、オリジナルキャラクターを軸にした参加型創作文化を牽引しました。
pixiv、サービス開始
PR TIMESピクシブ株式会社が、イラスト・マンガ・小説の投稿と交流に特化した創作者向け SNS「pixiv」の提供を開始しました。推しキャラの二次創作やオリジナルキャラクターの投稿・反応がネット上に蓄積される場として使われるようになりました。
「figma」シリーズ、開始
株式会社マックスファクトリーがアクションフィギュアシリーズ「figma」を開始しました。一般販売第一弾は「長門有希 制服ver.」。可動フィギュアを推しキャラの量産グッズとして流通させ、ライブ・推し活グッズ文化と接続しました。
初音ミク「マジカルミライ2013」、横浜アリーナで開催
初音ミクのライブと創作文化の展示・ワークショップを組み合わせた複合イベント「マジカルミライ2013」が横浜アリーナで開催されました。ネット上の創作キャラクターをライブ会場で追う文化が、以降も毎年開催される定期イベントへ発展しました。
BOOTH、サービス開始
ピクシブ株式会社が、pixiv と連携した創作物のショップ作成サービス「BOOTH」の提供を開始しました。同人グッズやダウンロード作品をネット上で販売できる基盤として、創作から物販までのサイクルを支える文化の転換点となりました。
pixivFANBOX、サービス開始
公式ニュースピクシブ株式会社が、クリエイターとファンをつなぐ月額制の支援プラットフォーム「pixivFANBOX」の提供を開始しました。推しのイラスト・漫画・制作過程などを限定公開し、ファンが月額で支援できる流通路として使われています。
漫画・アニメと推し
連載作品・アニメ放送を起点に、キャラクター商品・応援・長期ファンダム・海外展開へ広がった節目。
漫画『美少女戦士セーラームーン』、なかよしで連載開始
PR TIMES武内直子による漫画『美少女戦士セーラームーン』が、講談社「なかよし」1992年2月号(1991年12月28日発売)から連載を開始しました。変身ヒロインと仲間への憧れを、グッズ交換やファン同士の交流と結びつける少女向け推しの原型です。のちにアニメ化され、北米・欧州など海外でも「Sailor Moon」として広く知られるようになりました(2.5 次元ミュージカル「セーラミュー」の海外公演は theater-era 参照)。
テレビアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』、テレビ東京系で放送開始
PR TIMESカラー/カラー・プラス/GAINAX 制作のテレビアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』が、テレビ東京系で放送を開始しました(貞本義行による同名漫画も同年から「少年エース」で連載)。キャラクター論争・グッズ・劇場版をめぐる熱量の高いファンダムが社会話題となり、のちの「オタク」「物語消費」を論じる議論の具体例として国内外で参照され続けています。
漫画『カードキャプターさくら』、なかよしで連載開始
CLAMP による漫画『カードキャプターさくら』が、講談社「なかよし」1996年5月号(1996年3月2日発売)から連載を開始しました。クロウカード収集と衣装・小道具を軸に、キャラクター商品を集める推しが定着しました。アニメ化ののち、北米では「Cardcaptors」として放送されるなど海外展開も進み、2018年からは続編『カードキャプターさくら クリアカード編』の連載・アニメ化も行われました。
漫画『ONE PIECE』、週刊少年ジャンプで連載開始
PR TIMES尾田栄一郎による漫画『ONE PIECE』が、「週刊少年ジャンプ」1997年34号(1997年7月22日発売)から連載を開始しました。長期連載・人気投票・イベント参加がセットになった「作品推し」の枠組みを確立しました。のちに世界多国語で出版・配信され、グローバルな海賊王ファンの輪も広がりました。
漫画『ハイキュー!!』、週刊少年ジャンプで連載開始
PR TIMES古舘春一による漫画『ハイキュー!!』が、「週刊少年ジャンプ」2012年12号(2012年2月20日発売)から連載を開始しました。応援歌・ペンライト・のちの舞台化へつながる、スポーツ推しの代表作です。アニメ化後は国内外で配信・上映され、バレーボール応援の比喩としても広く知られるようになりました。
漫画『鬼滅の刃』、週刊少年ジャンプで連載開始
PR TIMES吾峠呼世晴による漫画『鬼滅の刃』が、「週刊少年ジャンプ」2016年11号(2016年2月15日発売)から連載を開始しました。2019年のアニメ化・2020年の劇場版大ヒットを経て、幅広い層がキャラクターと作品を追う社会現象となり、グッズ・聖地・応援広告など推し活の形態も多様化しました。北米・欧州・アジア各国でも配信・上映され、海外でも大きなファンダムを形成しました。
動画・コメント・日本語のインターネット
推しのパフォーマンスやファンの反応が、オンラインで残り共有される時代。
YouTube、日本語版サイトを開設
YouTube 動画YouTube が日本語インターフェースのホームページを開設しました。以降、PV・ライブアーカイブ・ファン投稿動画が推しコンテンツの主要な配信・保存インフラになりました。
ニコニコ生放送、初の番組を配信
公式ニュース
ライブ配信サービス「ニコニコ生放送」のサービス開始を記念した初番組が配信されました。リアルタイムで推しの配信を追い、コメントで盛り上がる視聴の型が定着しました。
ミニブログ「Twitter(ツイッター)」、日本語版を開始
ミニブログサービス「Twitter」(ツイッター)の日本語版サイトが公開されました。デジタルガレージが Twitter 社と日本展開で提携し、140 文字の短文投稿で推しの近況やファン同士の交流をリアルタイムに共有する手段として普及しました。
SHOWROOM、ライブ配信サービス開始
公式ニュースDeNA が仮想ライブ空間「SHOWROOM」の PC 版を開始しました(2013年11月25日)。アイドルやタレントの生配信と、視聴者からのコメント・ギフティングによる双方向の応援が特徴です。2014年9月の全面リニューアルで一般ユーザーも番組を配信できる「アマチュア」チャンネルが追加され、ギフティング等に応じた分配制度も整備されました。
Mirrativ、Android 版サービス開始
公式ニュースDeNA が、スマートフォンの画面をそのまま生配信できるアプリ「Mirrativ(ミラティブ)」の Android 版提供を開始しました。端末 1 台でゲーム実況などが配信でき、のちの VTuber・スマホゲーム配信文化の下地となりました。
YouTube「Super Chat」、日本のクリエイター向けに提供開始
公式ニュースYouTube が、ライブ配信中に視聴者が有料でコメントを目立たせ、クリエイターに収益を還元できる「Super Chat」の提供を日本在住のクリエイター向けに開始しました。配信視聴を軸にした「お金をかけた応援」の公式機能として定着しました。
TikTok、日本でサービス提供を開始
PR TIMES短尺動画アプリ TikTok が日本市場での提供を始めました(ByteDance の発表では 2017 年 8 月の上陸とされています)。推しのライブ切り抜きやダンス、イベント映像など、縦型ショート動画での共有手段として広まりました。
「ユーチューバー」、新語・流行語大賞のノミネート語に
2017 年の新語・流行語大賞ノミネート 30 語に「ユーチューバー」が含まれています。個人が動画・配信で推しコンテンツを発信する文化が、メディア語彙として広く知られるようになっていました。
YouTube「Channel Memberships(チャンネル メンバーシップ)」、拡大展開を発表
公式ニュースVidCon 2018 の基調講演で、YouTube が月額課金(4.99米ドル)でバッジ・絵文字・メンバー限定投稿などを提供する「Channel Memberships(旧 Sponsorships)」を、登録者 10 万人超の対象チャンネルへ拡大すると発表しました。Super Chat に加え、推しクリエイターへの継続課金の公式手段として使われるようになりました。
VTuber 向けライブ配信「REALITY」、サービス開始
公式ニュースグリー株式会社傘下の Wright Flyer Live Entertainment が、VTuber 専用のライブ配信プラットフォーム「REALITY」の提供を開始しました。スマートフォンから VTuber として配信・視聴できる新たな手段として加わりました。
バーチャルライブ配信アプリ「IRIAM」、iOS 版リリース
PR TIMES株式会社 DUO が、イラストキャラクター(V ライバー)とリアルタイムでコミュニケーションできるライブ配信アプリ「IRIAM(イリアム)」の iOS 版をリリースしました。V 特化の視聴・ギフト応援アプリとして広まりました。
有料オンラインライブ「LINE LIVE-VIEWING」、提供開始
PR TIMES新型コロナウイルス感染症の拡大によりライブ・握手会・ファンミーティングなどが中止・延期される中、LINE 株式会社がチケット販売から配信・課金まで一元化する有料オンラインライブ「LINE LIVE-VIEWING」の提供を開始しました。会場に足を運べない時期に、推しのライブやトークをオンラインで視聴する文化が急拡大しました。
有料オンラインライブ視聴者の約4割が投げ銭等を購入(ぴあ総研調査)
公式ニュースぴあ総研が公表した「有料オンラインライブ視聴に関する実態調査」(2021年1月実施)では、有料型オンラインライブの視聴経験者のうち、チケット代とは別に有料アイテム(投げ銭などネット上コンテンツへのオンライン送金)を購入した人の割合が、音楽分野で 40.0%、ステージ分野で 45.3%と報告されました。同調査では 2020 年の有料型オンラインライブ市場規模を推計 448 億円としています。
ソーシャルメディア「Twitter」から「X」へ、ブランド刷新
2023 年7月23日、X Corp. オーナーのエロン・マスクが Twitter ブランドの段階的な終了を示し、翌24日頃からサイト上のロゴが「X」に置き換わりました。推しの近況発信やファン交流の主要プラットフォームの名称・ブランドが変わりました。
ランダムグッズと推し活
くじ・ブラインド・缶バッジなど物販のランダム仕様。ソーシャルゲームのゲーム内ガチャとは別軸で、推しグッズを求める文化。
「一番くじ」、店頭くじ形式での発売を開始
1996年誕生の「とるとるキャッチャー一番くじ」に続き、2003年から店頭に立体 POP を設置しレジでくじ箱からくじ券を引く現在の形式でコンビニエンスストア等での発売を開始しました。キャラクター立体グッズのランダム物販として、コンビニ等での推しグッズくじの定番形式になりました。
矢野経済研究所、「オタク」市場調査で「フィギュア」分野を公表
株式会社矢野経済研究所が「オタク」市場に関する調査結果(2025年実施)を公表しました。主要17分野のひとつとして「フィギュア」市場を計測しており、2024年度は17分野のうち15分野が成長、2025年度も16分野の成長を予測しています(試算・対象範囲・調査方法の詳細は同社公表資料を参照)。
「ランダムグッズに関する消費者意識調査2026」、結果を公開
株式会社 Hamaru Strategy が 2026 年 3 月 28 日〜4 月 3 日に実施した Web アンケート(有効回答 35,866 件)の結果報告を公開しました。調査は缶バッジくじ・トレカ・オンラインくじなど物販のランダムグッズを対象としており、ソーシャルゲームのゲーム内ガチャは対象外です(無作為抽出ではなく自発回答に基づく調査です)。
VTuber
Kizuna AI をはじめ、hololive・にじさんじなど VTuber コンテンツが広がった節目。
Kizuna AI、バーチャルタレントとして活動開始
PR TIMESActiv8 により制作されたバーチャルタレント Kizuna AI の活動が始まり、「Virtual YouTuber(VTuber)」ブームの先駆けのひとつとなりました。
VTuber「ときのそら」、活動開始
PR TIMESカバー株式会社の「ホロライブ」傘下として、VTuber の ときのそら が活動を開始しました。ホロライブプロダクション初のバーチャルアイドルとして知られます。
Kizuna AI、YouTube チャンネル登録者100万人を達成
PR TIMESバーチャル YouTuber Kizuna AI の YouTube チャンネル「A.I.Channel」が登録者100万人を達成しました。公式サイトでは、100万人達成を記念した初のリアルイベント開催も記録されています。
カバー、「hololive」ライブ視聴サービスとアプリ
PR TIMESカバー株式会社が、キャラクターのライブ視聴サービス「hololive」の提供を2017年12月21日に開始しました。VTuber コンテンツの視聴・配信ハブとして機能します。2018年4月には、前面カメラで表情を認識しキャラクターになりきって配信できるスマホアプリ「ホロライブ」もリリースされ、Mirrativ 等の外部配信アプリと連携して VTuber としてのライブ配信が可能になりました。
にじさんじ、公式バーチャル YouTuber 8 人が始動
PR TIMESANYCOLOR 株式会社(当時いちから株式会社)が、バーチャルライブアプリ「にじさんじ」の公式 VTuber 8 人による動画投稿・Live 配信を開始したと発表しました。Live は Mirrativ、編集動画やゲーム実況は YouTube 等で配信するとしています。
韓国の推し活文化(K-POP・韓流)
BIGBANG・EXO・BTS・TWICE・BLACKPINK など K-POP グループのデビューと、Weverse・bubble など公式ファンダム基盤、国策による韓流支援。
BIGBANG、YG ファミリーコンサートでデビュー
YG エンターテインメント所属の 5 人組グループ BIGBANG が、ソウル・オリンピック公園体操競技場で開かれた YG ファミリー 10 周年コンサートで公式デビューしました。のちの K-POP 男児グループブームを象徴する存在のひとつとして知られます。
EXO、ソウル・ワールドカップ競技場でデビューショーケース
PR TIMESSM エンターテインメント所属の EXO-K・EXO-M が、ソウル・ワールドカップ競技場で開かれたデビューショーケースで「MAMA」を披露し、グループとして公式デビューしました。韓国・中国の2ユニット体制と大規模ファンダム(EXO-L)を軸に、2010年代男児グループ推しの模板となりました。
BTS、ミニアルバム『2 Cool 4 Skool』でデビュー
HYBE(当時 Big Hit Entertainment)所属の 7 人組 BTS が、1st ミニアルバム『2 Cool 4 Skool』(タイトル曲「No More Dream」)をリリースし、デビューしました。のちの Weverse・グローバルツアー・ARMY を軸に、K-POP 推しの国際的モデルとなりました。
TWICE、シングル「Like OOH-AHH」でデビュー
YouTube 動画JYP エンターテインメント所属の 9 人組 TWICE が、デビュー曲「Like OOH-AHH」をリリースしました。ポイント振付や MV の拡散を通じて、SNS 拡散型の女性グループ推しが定着する契機となりました。
BLACKPINK、デビューシングル「BOOMBAYAH」「Whistle」を同時リリース
PR TIMESYG エンターテインメント所属の 4 人組 BLACKPINK が、デビューシングル「BOOMBAYAH」と「Whistle」を同時リリースしました。強いパフォーマンスと MV 拡散を軸に、2010年代後半の女性 K-POP グループ推しの代表格です。
Weverse、K-POP 向けグローバル・ファンダム基盤を開始
PR TIMESHYBE 傘下の Weverse Company が、ファンコミュニティ・プラットフォーム Weverse とコマース Weverse Shop を立ち上げました。BTS など K-POP アーティストの公式ファン交流・グッズ購入基盤として広がりました。
DearU bubble、K-POP 向けプライベートメッセージを開始
Dear U が、スターとファンが 1 対 1 でメッセージできる「DearU bubble」を開始しました。SM・JYP など K-POP 事務所を中心に、有料メッセージによる公式交流が広まりました。
「第4次韓流ブーム」、新語・流行語大賞のノミネート語に
2020 年の新語・流行語大賞ノミネート 30 語に「愛の不時着/第4次韓流ブーム」が含まれています。日本のメディア上で、K-ドラマ・K-POP を中心とした韓流が再び話題になった時期の指標です。
韓国文化体育観光部、K-コンテンツ輸出支援を本格化
大韓民国文化体育観光部(MCST)が、K-コンテンツの創作・輸出を柱とする 2023 年施策を発表しました。史上最大規模の政策金融、海外拠点拡大、K-POP の ICT 活用海外展開など、韓流を国家戦略として後押しする方針が示されています。
出典Ministry of Culture, Sports and Tourism (Republic of Korea) — Press Release
BABYMONSTER、デビュー曲「BATTER UP」をリリース
PR TIMESYG エンターテインメント所属の 7 人組 BABYMONSTER が、デビュー曲「BATTER UP」をリリースしました。YG 系女性グループの新世代として、MV・SNS・ライブを軸に推しを追う 2020年代後半の K-POP 話題作の一つです。
出典PR TIMES — BABYMONSTER デビュー「BATTER UP」(ソニー・ミュージックソリューションズ)
ILLIT、1st ミニアルバム『SUPER REAL ME』でデビュー
BELIFT LAB(HYBE × CJ ENM)所属の 5 人組 ILLIT が、1st ミニアルバム『SUPER REAL ME』(タイトル曲「Magnetic」)をリリースし、デビューしました。2020年代女性グループ推しの新たな話題となりました。
推し活アプリの節目
推しの記録やウィジェットをスマホに載せるアプリが広がった時期。
NTTソルマーレ「シカロ」、提供開始
PR TIMESNTTソルマーレが、漫画・アニメ・ゲームなど推し作品の公式情報をカレンダー表示するオタク向けスケジュール管理アプリ「シカロ」の提供を開始しました。作品専属のキュレーターが公式情報を登録し、放送日・発売日・イベントなどを一括管理できるサービスとして、推し活アプリの先駆的な試みのひとつでした。2023年6月30日15:00をもってサービスを終了し、同日12:00に App Store / Google Play からの配信も停止されました。
サンリオ「おしきゅん」、App Store / Google Play でリリース
PR TIMES株式会社サンリオが、推しの予定を共同編集できるコミュニティ機能や色分けカレンダーなどを備えた推し活応援アプリ「おしきゅん」を App Store / Google Play でリリースしました。エンジョイアイドルシリーズで推し活グッズを展開してきたサンリオが、デジタル面でも推し活を支援するサービスとして提供を開始しました。2026年3月31日に終了が告知され、2026年6月30日をもってサービスを終了しました。
推し活の本と研究
推し・ファンダムを題材にした小説・評論・調査レポート・論文が、文学賞・書店投票・社会調査として可視化された節目。
ジャン・ボードリヤール『消費社会の神話と構造』邦訳刊行
Amazon.co.jpジャン・ボードリヤール著『消費社会の神話と構造』(La société de consommation)の邦訳(今村仁司・塚原史訳)が、紀伊國屋書店から1979年10月に刊行されました。商品やメディアが「記号」として消費される構造を論じた古典で、後のファンダム消費・推し活を読む議論の背景文献としてよく参照されます。
漫画『【推しの子】』、週刊ヤングジャンプで連載開始
Amazon.co.jp赤坂アカ(原作)×横槍メンゴ(作画)による漫画『【推しの子】』が、2020年4月23日発売の週刊ヤングジャンプ21号から連載を開始しました。産婦人科医とアイドル「推し」をめぐる芸能界ものとして、のちにアニメ化・社会現象となり、「推しの子」という語彙の広がりとも重なります(新語大賞でのノミネートは word-era 参照)。
『ユリイカ』2020年9月号「女オタクの現在 ―推しとわたし―」
青土社『ユリイカ』2020年9月号(2020年8月27日発売)が、特集「女オタクの現在 ―推しとわたし―」を組みました。推し依存・二次創作・〈消費者フェミニズム〉批判など、女オタクと「推し」をめぐる評論・インタビュー・詩を一堂に載せた特集号です。
宇佐見りん『推し、燃ゆ』、第164回芥川賞受賞
Amazon.co.jp宇佐見りんの長編小説『推し、燃ゆ』(2020 年9月、河出書房新社刊)が、第164回芥川龍之介賞(2020 年度下半期)を受賞しました。アイドルを「推し」として全身全霊で応援する生活を描いた作品として、推し文化が文学賞の受賞作としてメディア上で広く語られました。
ピープマイヤー『ガール・ジン ―「フェミニズムする」少女たちの参加型メディア』刊行
Amazon.co.jpアリスン・ピープマイヤー著『ガール・ジン ―「フェミニズムする」少女たちの参加型メディア』(野中モモ訳、太田出版、2011年8月)が刊行されました。1990年代以降のアメリカにおける手作り小冊子「ガール・ジン」と第三波フェミニズムの歴史を論じ、ZINE・自己表現・コミュニティづくりとしての参加型メディアの歴史を詳述した解説書です(日本の同人・女オタク論との対読文献)。
岡部大介『ファンカルチャーのデザイン』(越境する認知科学)刊行
Amazon.co.jp岡部大介著『ファンカルチャーのデザイン ―彼女らはいかに学び,創り,「推す」のか―』(共立出版・越境する認知科学8)が刊行されました。腐女子・コスプレイヤー・アイドルファンなどの行動をフィールドワークと認知科学の視点から論じた書です。
『ファンダムエコノミー入門』刊行
Amazon.co.jpコクヨ野外学習センター編『ファンダムエコノミー入門 BTSから、クリエイターエコノミー、メタバースまで』(黒鳥社 / プレジデント社)が刊行されました。BTS Army からクリエイターエコノミー・Web3・NFT まで、ファンダムが経済と社会を変える潮流をビジネス文脈から読む入門書です。
久保(川合)南海子『「推し」の科学』刊行
Amazon.co.jp久保(川合)南海子著『「推し」の科学 プロジェクション・サイエンスとは何か』(集英社新書)が刊行されました。推し活・二次創作・ぬい撮りなど「推す」行為を、認知科学の「プロジェクション」から解説した評論です。
大倉典子『「かわいい」工学』刊行
Amazon.co.jp大倉典子編著『「かわいい」工学』(朝倉書店)が刊行されました。「かわいい」人工物を例に感性工学の手法で計測・評価する入門書で、キャラクター・グッズ・アイドルビジュアルの「かわいさ」を設計・消費する文脈で参照されます。
井上淳子・上田泰「アイドルに対するファンの心理的所有感とその影響について」
井上淳子・上田泰による論文「アイドルに対するファンの心理的所有感とその影響について ―他のファンへの意識とウェルビーイングへの効果―」が、『マーケティングジャーナル』第43巻第1号(2023年6月30日)に掲載されました。550人のアイドルファン調査から、推しに対する心理的所有感が同担意識・ウェルビーイング・推し活継続性に与える影響を実証した研究です。
博報堂「オシノミクス レポート」公開
公式ニュース博報堂 HAKUHODO HUMANOMICS STUDIO が「オシノミクス プロジェクト」の第2弾として調査レポートを公開しました。「推し活」の経済行動と心理を「オシノミクス」として整理し、推しの有無による幸福度の差などを全国調査(10〜69歳)で示しました。
大石百華「大衆化し多義化した『推し』の計量社会学」刊行
大石百華による論文「大衆化し多義化した『推し』の計量社会学 —『推し』の有無から生じる認識の齟齬に着目した多変量解析」が、『九州大学教育社会学研究集録』第27号に掲載されました。「推し」尺度の作成と多変量解析を通じ、推しあり・推しなしで認識が異なることや「推し」の多義化を実証的に論じた研究です。
東京大学「第23回文化資源学フォーラム」報告書公開
東京大学大学院人文社会系研究科文化資源学研究室による『第23回文化資源学フォーラム実施報告書「推し」文化を語る――将来の学術研究に向けて』(2024年5月9日)が公開されました。2023年度フォーラムでは紙上座談会やNDL Ngram 等の時系列データ分析を通じ「推し」文化の語源・広がり・聖地巡礼・推し疲れなどを整理し、将来の学術研究向け文化資料として公開しました。
国民生活センター論文「推し活におけるセレブリティ・ウォーシップ…」
独立行政法人国民生活センター『国民生活研究』第64巻第2号(2024年12月)に、水越康介による論文「推し活における若者のセレブリティ・ウォーシップが消費者行動に与える影響」が掲載されました。推し活文脈でのセレブリティ・ウォーシップ(CW)と消費者行動の関係を、20代を中心とした調査で考察した研究です。
劇団雌猫『毎日がもっとキラキラする! はじめての推し活』刊行
Amazon.co.jp劇団雌猫著『毎日がもっとキラキラする! はじめての推し活』(高橋書店)が刊行されました。ルール・マナー・SNSの注意点・推し活貯金などを扱う、子ども向けの推し活ガイドです。
朝井リョウ『イン・ザ・メガチャーチ』、単行本刊行
Amazon.co.jp朝井リョウの長編小説『イン・ザ・メガチャーチ』(日経BP / 日本経済新聞出版)が刊行されました。アイドルグループ運営に関わる男、推し活で心を消耗する大学生、舞台俳優を応援していた女性など、立場の異なる語り手を通じてファンダム経済と「物語」が人を動かす構造を描いた作品です。2026年4月9日発表の第23回(2026年)本屋大賞も受賞しました。
保坂賢吾ほか「高齢者における推し活の開始と健康増進行動…」(GGI)
保坂賢吾・田中友規・飯島勝矢・二瓶美里による論文「Identifying the Initiation of Oshikatsu and Health-Promoting Activities Through Oshikatsu Among Older Adults: A Trajectory Equifinality Approach」が、Geriatrics & Gerontology International にオンライン公開されました(DOI: 10.1111/ggi.70244)。50歳以上の推し活実践者へのインタビューから、推し活の開始プロセスと健康増進行動・生きがい(ikigai)との関係を軌道等終性アプローチ(TEA)で分析した研究です。
ファン文化の言葉
新語・流行語大賞、国立国会図書館の公開解説などを通じて、推し・オタク・追っかけ(アイドル・芸能ファン)にまつわる語彙が可視化された節目。
女義太夫ファンの「追駆連(おっかけれん)」
明治時代の女義太夫ブームでは、演目を追って寄席から寄席へ移動する推しの女義太夫の人力車を追いかける熱狂的ファン集団が「追駆連(おっかけれん)」とも呼ばれていました。アイドル・芸能人の出演や移動を追う「おっかけ(追っかけ)」に相当する、推し活由来のファン行動として知られる一例です(個人的な交際関係のストーキングとは区別されます)。
「萌え~」、新語・流行語大賞トップテンに
2005 年の新語・流行語大賞トップテンに「萌え~」が選ばれました。授賞コメントでは「萌え」がおたく世界を越えて一般化したと記されています。「オタク」という語そのもののノミネートはありませんが、オタク文化由来の語彙がメディア上で広く知られるようになりました。
「歴女(レキジョ)」、新語・流行語大賞のノミネート語に
2009 年の新語・流行語大賞ノミネート 30 語に「歴女(レキジョ)」が含まれています。戦国時代などをテーマにした映画・ゲーム・大河ドラマをきっかけに、歴史上の人物や時代を「推す」若い女性が増えた、と説明されています。人物・時代を推し対象とするファン文化の指標です。
「推しメン」、新語・流行語大賞のノミネート語に
2011 年の新語・流行語大賞ノミネート語に「推しメン」が含まれています。アイドルや芸能人のなかで特に応援する対象を指す言葉として、メディア上に広く登場し始めた時期の指標です。
「刀剣女子」、新語・流行語大賞のノミネート語に
2015 年の新語・流行語大賞ノミネート 30 語に「刀剣女子」が含まれています。スマートフォン向けゲーム『刀剣乱舞』の人気に伴い、刀剣擬人化キャラクターを推す女性ファンが注目された、と説明されています。
「聖地巡礼」、新語・流行語大賞トップテンに
2016 年の新語・流行語大賞トップテンに「聖地巡礼」が選ばれました。映画・テレビ・ゲームなど物語の舞台となった場所を訪れる行為として、作品世界を推すファン文化がメディア語彙として広く知られるようになりました。
「にわかファン」、新語・流行語大賞のノミネート語に
2019 年の新語・流行語大賞ノミネート 30 語に「にわかファン」が選ばれました。特定作品やイベントのブームに乗って新たにファンになる人々を指す言葉として、話題になりました。
「推しの子/アイドル」、新語・流行語大賞のノミネート語に
2023 年の新語・流行語大賞ノミネート 30 語に「推しの子/アイドル」が含まれています。フィクション上の“アイドル”を推し対象とする物語が話題となり、実在の推し活とキャラクター・概念推しが並んで語られる時期の指標です。
「ぬい活」、新語・流行語大賞のノミネート語に
2025 年の新語・流行語大賞ノミネート 30 語に「ぬい活」が含まれています。ぬいぐるみや推しグッズを連れて外出・記録する行為として、人物以外のモノを推し対象として応援する文化がメディア語彙としてノミネートされました。
FAQ
なぜ特定のアイドル・グループだけ載っているのですか?
日本・韓国などで広く報じられた節目のうち、出典を公式で確認できたものに絞っています。
推し活アプリの比較はどこで見られますか?
記録・配信・公式 FC などツールの比較は、別ページの推し活アプリガイドをご覧ください。









ソシャゲと推し活
ゲーム内キャラクターを推し、ガチャやイベントで応援する文化。
『パズル&ドラゴンズ』、iOS版サービス開始
ガンホー・オンライン・エンターテイメントがスマートフォン向けパズルRPG『パズル&ドラゴンズ』(パズドラ)の iOS 版を App Store で開始しました。モンスターを集めて編成し、ガチャで新キャラクターを入手するプレイが定着し、ソシャゲ推し・ガチャ文化の先行例となりました。
出典ガンホー・オンライン・エンターテイメント — プレスリリース(2012年2月20日)
コンプガチャ、消費者庁見解と規制・業界自主規制
オンラインゲームで話題になった「コンプガチャ」(特定のアイテム組合せでレア報酬を得る有料ガチャ)について、消費者庁が2012年5月18日に景品表示法の「カード合わせ」に当たり得るとの見解を示しました。同年7月1日から運用基準改正により規制対象が明確化され、各社はコンプガチャの提供を終了。日本オンラインゲーム協会(JOGA)が同年7月に「オンラインゲームにおけるビジネスモデルの企画設計および運用ガイドライン」を公表するなど、業界の自主規制が進みました。ソシャゲのガチャ課金とファン応援の関係が、社会問題として注目を集めました。
出典消費者庁 — インターネット上の取引と「カード合わせ」に関する Q&A
『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル』、配信開始
KLab とブシロードが共同開発したスマートフォン向けゲーム『ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル』(スクフェス)の iOS 版が配信開始されました。μ's の楽曲プレイとストーリー、ガチャによる部員(推し)集めが組み合わさり、スクールアイドルを推すソシャゲの代表作です。
出典PR TIMES — ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル iOS 版配信開始(KLab)
『Fate/Grand Order』、Android 版のサービス開始
TYPE-MOON が手がけるスマートフォン RPG『Fate/Grand Order』(FGO)の Android 版が先行配信されました(iOS 版は同年 8 月)。サーヴァント(英霊)を推し、召喚ガチャやイベントで応援するプレイが定着し、キャラ IP ソシャゲ推しの分水嶺となりました。
出典TYPE-MOON Official Web Site — ニュース(2015年7月30日)
「ウマ娘」、新語・流行語大賞のノミネート語に
2021 年の新語・流行語大賞ノミネート 30 語に「ウマ娘」が含まれています。競走馬をモチーフにしたキャラクター育成ゲームが大ヒットし、ゲーム内キャラクターを推す文化がメディア語彙として広く知られるようになりました。
出典自由国民社 — 第38回(2021年)ノミネート語一覧